OLYMPUS 35DC  オリンパスのデラックスコンパクト

すべての撮影をプログラムで
発売は昭和46年(1971年)4月。
当時はまだフラッシュバルブとストロボが混じっていた時代、どちらをつけてもそのままプログラム撮影ができるというのが売りのコンパクトカメラである。
もうひとつの特徴はボディ背面につけられたBLC(バックライトコントロ−ル)ボタンである。逆光の時はこのボタンを押しながら写真を撮ると+1.5EVの露出補正になるという事である。
レンズは40mmF1.7付であり、このレンズが非常にシャ−プでいいレンズである。ズイコ−独自のかみそりのようなピントの切れ味、構成は四群六枚、ということでFズイコ−である。当時の高級コンパクトカメラである。このカメラのレリ−ズ感は独特で、針押さえEEであるのに不思議とレリ−ズも短く使い易いカメラである。

みのかんのオリンパス35DC
しばらくは棚の中の飾り物であったが、最近はよく持ち出すカメラである。OM一眼レフのサブとしてカメラバックの片隅に突っ込んでおき、街角スナップになるとこのカメラばかり使うようになる。レンズがいいという点で、期待を裏切った事はない。大全紙の大伸ばしでもまったく問題がないのである。
ある日、このカメラをどうしてもドレスアップしてあげたくて、鰐皮模様のレザ−を手芸店で買ってきて張り替えてみた。するとどうだろう、32年前のカメラとは思えないほど高級感が増してきたのである。
接着剤はなるべく使わず、両面テ−プで付けてあるためはがすのも簡単である。飽きたらまた別のレザ−にすればいい。

40mmのレンズなのに距離計付きというのも気に入っている。自分でしっかりとピントを合わせて撮る、この感触はAFのプラカメでは絶対に味わえない喜びである。道具として持つ事の喜び、最近はこれがなくなりつつある。時計、ライタ−などもカメラと同じく使い捨てが主流になった日本、中古でしか味わえなくなったことがちょっと悲しい。

INDEXに戻る